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海外で鍼灸師として働けるのか

鍼治療

今回は、「海外で鍼灸師として働けるのか」というテーマでお話ししていきます。

結論からすると、国によって条件によって働くことが可能です。

海外で鍼灸師の資格は使用できるのか?

全日本鍼灸マッサージ師会のホームページには、こう書かれています。

海外で鍼灸マッサージ師として働くには?

A.その国の鍼灸マッサージ資格取得が必要です。例としてアメリカの場合、連邦政府の資格ではなく州独自の資格免許となっています。事前に労働環境や安全状況を十分確認してください。

と記載があるので長年思っていたのは、海外では再び現地の鍼灸の学校に入り直すのかと思ってました。

しかも英語や現地の語学で。。。調べていくと国によって異なるので、必ずしもその国の鍼灸師の資格は必要ありません。

また、逆に海外の鍼灸師の資格を日本で理由できるのかも疑問に思いました。それについては、こう書かれていました。

A.日本の鍼灸マッサージ師免許が必要となります。諸外国で取得したいずれの免許資格も日本国内では適用にはなりませんのでご注意ください。

こちらに関しても、独自の見解では日本でマッサージに関しては、免許がなくてもボディセラピストとして、いわゆる整体師やエステシャンとして国家資格がなくても働けるかと思います。海外もそうではないかと思っています。

日本では、マッサージの国家資格を持っていない人が、「マッサージ」「もみほぐし」と記載することは、法の観点から不可になっています。そのため、「ボディトリートメント」などと表記することが多い印象です。

鍼灸師の資格は、日本の学校を卒業して資格を取る必要があります。要するに、日本のように海外もその国独自で鍼灸の免許がある国は、その国の鍼灸師の資格取得が必要ということです。

アメリカの鍼灸師事情

アメリカ

現在アメリカ国内の鍼灸師は約2万人在籍しているといわれており、その中には日本人もおり、アメリカでの鍼灸はかなり需要が高いということがわかります。

ライセンスを取得すればアメリカでの就業も可能です。アメリカは州によっても取り決めが全く違います。

NCCAOM(鍼術東洋医学国家資格認定委員会)をチェックしよう

アメリカは、基本的に国としての鍼灸の国家資格の制度はありません。

アメリカは州ごとに法律などが違うため、大きく分けると2種類の資格が存在しています。

アメリカでの資格のひとつは、カリフォルニア州のみに認可されている鍼灸資格、もう一つはそれ以外の46州で認可されている鍼灸資格です。

カリフォルニア州の試験は一般の方でも試験を受けることが出来るのですが、そのほかの試験は医師や医師の指示のもとでないと受けることができません。

他の州での免許を取得したい場合は、NCCAOMの試験を受けることで鍼灸師の免許を取得することができます。

アメリカで鍼灸師の資格を取得するなら、NCCAOM(鍼術東洋医学国家資格認定委員会)について知っておかなければなりません。

この団体のテストを受けることでライセンスが認定され、鍼灸師として働けるようになります。
ただし試験を受けるためには、公的な東洋医学の学校を卒業している必要があるため、注意が必要です。

NCCAOMの試験は鍼灸学から東洋医学理論、西洋医学理論などから構成されており、どの州で鍼灸をするかによって、受ける科目が違います。

公式サイトを見てみると、どの州でどの試験を受ける必要があるのかなどが表示されているので、それを確認してから試験を受けるようにしましょう。

詳細はNCCAOMの公式ホームページに書かれていますので、ご確認ください。

特にアメリカでは、鍼灸の需要が高いと聞きます。私のクライアント様にもアメリカの方が多数いるのですが、みんな同じことを言ってました。

鍼灸と言えば日本や中国で発展しているというイメージを持っている人も多くいるかと思いますが、実はアメリカのほうが中国や日本よりも非常に盛んになっているようです。

鍼灸が活発なアメリカの州

アメリカで鍼灸が活発な州は、特にフロリダ州、ニューヨーク州、カリフォルニア州において、鍼灸が活発に行われています。

これら3州では認知度が高く利用者も多いため、仕事がしやすいと言えます。

逆の考え方をすると、日本で働くよりも競合相手が多くなってしまう可能性も出てきます。それだけ鍼灸の技術も身に着けていなければなりません。

競合相手の少ない州で仕事をすることによって、鍼灸師としての経験が浅くても自分の努力次第で、大きな成功を掴むことが出来るかもしれません。

日本、アメリカ以外の鍼灸師事情

世界地図

ここからは、日本とアメリカ以外の鍼灸事情について調べたことを書きたいと思います。

オーストラリアの鍼灸師制度

オーストラリアは、日本人が多く、ワーホリでも人気な国です。すでに日本人鍼灸師が結構多く、私が修業時代にお世話になった方も15年ほど前にオーストラリアに移住しました。

以前は、鍼灸の資格に統一された国家ライセンスはなく、州によって異なっていましたが、2012年7月より、国家資格となりました。
現在、鍼灸師のライセンスを得るためには、鍼灸を学べる大学、大学院もしくは専門学校を卒業する必要があります。

中国の鍼灸師事情

鍼灸治療の起源は、2千年以上前に中国で誕生しました。
治療器具は、現代のような金属を細くする加工技術はないため、石を鋭利に加工したものを用いて鍼治療を行っていました。聞いただけで、ゾッとしますよね。
飛鳥時代に朝鮮から日本へ伝わり、その後、江戸時代に最も盛んになり日本に広く鍼灸治療が普及しました。

国家資格の中医師の資格を取得のため、大学(5年間)後に病院等研修(1年間)で学びます。中医師は、鍼灸治療と漢方薬、西洋薬等を合わせた鍼灸治療を行います。

医師というだけあり、試験のハードルもかなり高いようです。

韓国の鍼灸事情

韓国の鍼灸師事情は全く知りませんでした。韓医科大学卒業後、国家試験を合格した「韓医師」が鍼灸及び、湯液(生薬を煮込んだスープ)ができると記載があります。

ここからは、私が調べる限り鍼灸

資格制度がない国

の資格制度がない国々です。

あくまで参考までに、詳細はご自分でお調べください。

シンガポール、マレーシア、台湾、ニュージーランド、スウェーデン、スペイン、オランダetc

現在進行形で詳しく記載されていたのが、こちらです。

一般社団法人 鍼灸医療普及機構

海外で鍼灸は需要があるのか?

日本の鍼灸は、鍼の痛みを軽減するために、非常に細い針を用いて施術を行います。痛みを伴わず高い効果を得られることのできる日本の鍼灸は、海外で多くの注目を集めています。

今でこそ、多くの国や団体が鍼灸医療を行うようになりましたが、行われていない国もまだまだあります。

最新のMarketResearch Future(MRFR)レポートによると、世界の鍼治療の市場規模は、2018年から2023年の間に14.50%のCAGR(年平均成長率)で55323.8百万米ドルに達する可能性があると記載があります。数字的にピンとこないかもしれませんが、需要とマーケットがしっかりあるということです。

そして、個人的には今後の将来に関して、今回のコロナパンデミックでより需要は高まるかと思います。

理由は、これだけのストレスにさらされた多くの人々は、慢性疾患に悩まされると思うからです。外出自粛やロックダウンに伴う精神的・肉体的ストレスは非常に大きいものだと思います。

特に睡眠障害、感情障害などのうつ症状から始まり、あちこちの身体の痛みや健康上の合併症の増加も増えてくるかと思います。そこで注目されるのが、薬に頼らない代替医療としての鍼灸治療。

人と人との触れ合いを失われた人々に温かい手で触れてあげること。

日本で経験を積んだ鍼灸師は、海外のあらゆる場所で必要とされてくるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、「海外で鍼灸師として働けるのか」というテーマでお話ししてきましたが、

結論からすると、国によって条件によって働くことが可能です。

英語がすでにできるのであれば、アメリカやオーストラリアなどその国独自の鍼灸の資格を取得するために、最初から留学して現地の学校に入学して資格を取るのも選択肢の一つではないでしょうか。

それから海外を転々と旅するように鍼灸師として生きていくのも楽しそうですね。

私は、子どもたちの教育移住も兼ねて「オランダ」に行きたいので、もっとオランダの鍼灸事情について今後深く調べていきたく思います。





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