今回のオランダ移住に向けて③では、子育て面について調べました。
子どもの幸福度ランキング1位
子供の幸福度ランキングは、ユニセフが先進国、新興国などを対象に各国のさまざまなデータをもとにし、子どもの幸福度調査をランキングにし発表しています。前回行われたのが2013年なので、7年ぶりの発表となりました。 2021年の発表は予定されておらず、この順位が最新ランキングになります。
- オランダ
- デンマーク
- ノルウェー
- スイス
- フィンランド
- スペイン
- フランス
- ベルギー
- スロベニア
- スウェーデン
日本は38位中20位です。
こちらのデータは、子どもの幸福度を、精神的幸福、身体的健康、スキルの3側面で捉えています。
精神的幸福度は、ポジティブな指標の「生活満足度(15歳時)」とネガティブな指標の「自殺率(15~19歳の子ども10万人あたりの自殺者数)」を用いています。
身体的健康は「子どもの死亡率(5~14歳)」と「過体重・肥満率(5~19歳)」を、そしてスキルについては15歳の子どもの「学力(読解力と数学の学力)」と「社会的スキル(すぐに友だちができる)」を指標として用いています。
これら3つの側面を総合的に評価して子どもの幸福度が高い国のトップ3はオランダ、デンマーク、ノルウェー、そしてワースト3はチリ、ブルガリア、アメリカ合衆国となっています。
日本の子どもの幸福度の総合順位は、指標が利用可能な38カ国中20位だったが、精神的幸福、身体的健康、スキルの側面に分けて順位を見ると、精神的幸福度37位、身体的健康1位、スキル27位となっています。
こちらの調査は約7年毎に行われていて、過去3回オランダの子どもの幸福度ランキングは1位となっています。
- 2007年 1位
- 2013年 1位
- 2020年 1位
世界幸福度ランキング
せっかくなので、世界の幸福度ランキングも調べてみました。
毎年3月20日の国際幸福デーに世界幸福度ランキング(World Happiness Report )が発表されています。
2020年のランキングが発表されました。
- フィンランド
- デンマーク
- スイス
- アイスランド
- ノルウェー
- オランダ
- スウェーデン
- ニュージランド
- オーストリア
- ルクセンブルク
上位は、ほとんどヨーロッパがランキングしていました。
日本は62位でした。2018年の54位、2019年の58位からさらに順位を下げた形となっています。
健康寿命など数値が高そうな項目もあるのですが、QOLが低いのか、毎年低順位となっています。子供の幸福度ランキングも昔より低順位になっている背景があるので、今後がとても心配です。
イエナプラン教育
イエナプラン教育の発祥は、ドイツのイエナ大学の教育学教授だったペーター・ペーターセン(1884~1952)が同大学の実験校で取り組んでいた教育です。
しかし第二次世界大戦などの影響もあり、ドイツ国内で広がることがありませんでした。
その後、スース・フロイデンタール=ルッター(1908~1986)がオランダで初めてイエナプラン教育を紹介し、1960年代以降にオランダ国内で大きな発展を遂げていきます。
この背景には、「教育の自由」が憲法で保障されているオランダの教育制度があります。教育理念の自由、学校設立の自由、教育方法の自由が憲法で認められているため、公立・私立問わず新しい教育を取り入れることができるのです。
子ども一人ひとりの個性を尊重しながら自律と共生を学んでいく「イエナプラン教育」。
日本ではまだあまり知られていませんが、モンテッソーリ教育やシュタイナー教育など様々なオルタナティブ教育(非伝統的な教育)を学ぶ環境が整っているオランダで「イエナプラン教育」は大人気です。
そのため、オランダ国内の小学校を中心に200校以上のイエナプラン教育校が存在しています。
イエナプラン教育の特徴
イエナプランは、自分の良さや弱みを知るだけでなく、他者の良さを認め、社会で協働して積極的に活動できる大人を育てるという狙いが非常に強くあります。ですから、生徒が障害を持つ持たないに関わらず、皆んなが同じ環境で協力しながら学びの生活を送ることを基本としています。
イエナプランは、独自の教育コンセプト「20の原則」の下、異年齢集団で活動するのが大きな特徴だ。対話・遊び・仕事(学習)・催し(行事)という4つの活動を通じて、1人ひとりの個性を尊重しながら自律と共生を学んでいく。
近年、日本でも活動を取り入れる学校や塾があり、教育に関心の高い保護者からも期待を集めている。 一口にイエナプランを採用していると言っても、学校ごとの裁量権が多いオランダでは、各校でさまざまな工夫をしていたり、また通常校でもイエナプランの考え方を一部取り入れているところもあったりと、どの学校にもそれぞれ個性が見られます。
ここでもう少し、イエナプラン教育の特徴を掘り下げてみましょう。(以下、Wikipediaより)
1. 異年齢のクラス編成
学級は異年齢の子どもたちによって構成される。通常、3学年にわたる子どもたち、例外的に2学年にわたる子どもたちの場合もある。学級は『根幹グループ(ファミリー・グループ)』と呼ばれ、学級担任の教員は『グループ・リーダー』と呼ばれる。毎年新学年になるごとに、年長の子どもたちが次のグループに進学し、新しく年少の子どもたちがグループに参加する。原則として、グループ・リーダーは交替しない。
2. 4つの基本活動
学校での活動は、会話・遊び・仕事(学習)・催しという4つの基本活動を循環的に 行う。会話はサークルを作ってグループ・リーダーも生徒と共に参加して行われる(サークル対話)。遊びは企画されたもの、自由遊びなど様々な形態が用いられる。仕事(学習)は、自立学習と共同学習の2種類がある。催しは、週のはじめの会、週の終りの会、特別の年中行事、教員や生徒の誕生日などで、喜怒哀楽の感情を共有して学校における共同体意識を育てることに目的が置かれている。
また、この4つの活動を循環的に行うために、時間割は教科別で作られず、4つの活動のリズミックな交替をもとにして作られる。
3. 生と仕事の場としての学校。
学校は、子どもと教員と保護者とからなる共同体と みなし、子どもが大半の時間を過ごす場として、リビングルームとしての環境づくりを強調する。
(編集部注:リビングルームというと、リラックス=遊びと言ったイメージもあるかもしれませんが、イエナプランでは、教員と生徒がグループとして、学びやすい環境を自ら整えていくという共同生活の場という意味合いが大きいと感じました)
4. 学校教育の中核としてのワールドオリエンテーション。
社会と理科といった教科別の学習をつなぎ、それに基づいて『学ぶことを学ぶ』ために設けられた総合的な学習の時間が尊重される。
5. 健常児も障害児も共にまなぶ
インクルーシブな教育を目指し、生徒集団を、可能な限り生の社会の反映として とらえ構成しようとする。そのために、早い時期から、特別のニーズを持つ障害児らの入学を積極的に認めてきた。
(※イエナプラン教育のより詳細は、日本イエナプラン教育協会のサイトをご覧ください)
オランダ移住に向けて③では、子育て面についてお届けしました!
子育てに関しては、子育てに適した環境や子どもの医療保険など他にももっと調べていきたいと思います。
ヨーロッパと日本の教育の大きな違いについては、こちらをご覧ください。